日本人選手がプロを目指すクラブ、ドイツ8部のバサラマインツとは? (3ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by FC Basara Mainz, Nakata Toru

バサラマインツ会長の山下喬バサラマインツ会長の山下喬 今季いっぱいバサラマインツでプレーを続け、来年夏の移籍市場でステップアップするのが石井の目標だ。だが、はたして8部リーグで、スカウトは見に来てくれるのだろうか?

「上位リーグのクラブに練習参加して、移籍先を決めていくのだと思います。僕は先日、5部リーグのゴンセンハイムというチームの練習に参加しました。1対1でガツンガツン来る感じは8部のチームと変わりませんが、自分がほしいタイミングでパスが来たり、レベルが高くて楽しかったです」(石井)

 ドイツに限らずヨーロッパに来る日本人のアマチュアプレーヤーを見ていて感じるのは、彼らが日本で"やり残した感"を抱えていることだ。高校や大学の部活で一軍になれなかった者は、自分のレベルに応じたクラブに移籍することなく、リザーブチームやBチームと呼ばれる二軍でプレーを続けることになる。

 教員を天職に選んだはずの石井があえてドイツへ渡ったのも、「自分のサッカーのレベルがどれくらいなのか、知りたくてやって来た」という思いがあったからだ。

「僕も、大学のときに"やり残した感"がありました。自分の場合はBチームに落ちて、サッカー部を引退しました。考えてみたら、教師はいつでもなれる。でも、サッカーは本当に今しかできない。ふたつを天秤にかけたとき、僕は年齢も考えてサッカーを選びました」(石井)

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