日本人選手がプロを目指すクラブ、ドイツ8部のバサラマインツとは? (2ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by FC Basara Mainz, Nakata Toru

 ドイツサッカーピラミッドの底辺である11部からスタートしたバサラマインツは毎シーズン優勝を重ね、順調に8部リーグまで上がってきた。

 チームの性質上、シーズンごとに日本人選手がクラブを卒業していき、また新たな選手が日本からやってくることを繰り返しながら、シーズン序盤の山下は毎年のように「今季は大丈夫だろうか」という不安を抱える。だが、シーズンが深まるとともに選手たちはドイツのサッカーに適合していき、最後にはチャンピオンとしてシーズンを終えてきた。

 残念ながらまだプロの選手は出ていないが、チームが11部だったころのメンバーだった酒井将史は現在4部のショット・マインツに所属しており、あと一歩でプロを名乗れるところまできている。

 今季はウインターブレークに入ったところで、首位インゲルハイムと勝ち点8差の4位。かなり厳しい状況ではあるが、まだ優勝をあきらめるようなポジションではない。

 左サイドバックの石井涼太(23歳)は北陸大学を卒業し、昨季後半戦からからバサラマインツに加わった選手だ。「ドイツでサッカーをやるのは3年」と決め、日本に戻ったら体育の教師になるという。

「僕がバサラマインツに入ったときは9部でした。『カテゴリーが低いから楽にプレーできるのかな』と思ったんですけれど、(石川)県リーグと比べても上位チームは強かった。得意のドリブルも、あと一歩のところで相手の足が伸びてきたり、ファウルで止めてくるからリズムが掴めなかった」(石井)

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