オランダからイギリスへ。藤田俊哉がリーズのフロントに転職した理由 (3ページ目)

  • 中田徹●取材・文・撮影 text & photo by Nakata Toru

―― リーズのラドリザーニ会長とは、どういう縁でつながったのですか?

藤田 フェンロに住んでいたから、オランダ、ドイツ、ベルギーといった隣国はもちろん、バルセロナやロンドンにも頻繁に僕は旅をしていた。すると、「サッカー人の輪」が広がっていった。

 アンドレアの家はロンドンにあるので、人を介して紹介してもらった、そこからリーズの話につながった。ビジネスもそうだと思うけれど、いろんな話があるなかで、実現するのは本当にわずか。それには縁もある。だから、VVVに次いでヨーロッパで2回目のチャレンジができるのはありがたいよね。

―― 指導者とフロント。どちらに進むか、いずれは決断しないといけないのでしょうか?

藤田 その必要は全然ない。監督も強化もそんなにかけ離れてないと、僕は考えている。ベンゲルさんはアーセナルの経営にも関わっていると聞いている。そうでなければ、あれだけ長くアーセナルの監督を務めることはできない。成績がいいシーズンでなくても、経営サイドの立場として選手をうまく回し育てていることが評価されている。

 だから自分も、リーズでやれることは結構ある。今回、ファジアーノ岡山を受け入れたのもそう。役職柄、これまで僕はリーズのアカデミーと関わることは少なかったけど、今回のことがキッカケとなってお互いをよく知るようになった。アカデミーの関係者は「今度はうちらの選手が日本に行く番だな」なんて言っていた(笑)。

 そして、自分にとっても日本のアカデミーのことを知る機会にもなった。こういうことも一生懸命やって、日本から来た選手やスタッフにいい思い出として帰ってもらったほうが絶対にいい。それがリーズ・ユナイテッドの評価にもつながるから。

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