オランダからイギリスへ。藤田俊哉がリーズのフロントに転職した理由 (2ページ目)

  • 中田徹●取材・文・撮影 text & photo by Nakata Toru

 最終的には、「U23監督に必要なライセンスがないから」という理由で話が流れてしまった。そんなライセンスの堂々巡りは3年で区切りをつけた。そして。レギュレーションの異なるイングランドでトライをしようと考えた。

―― オランダですべてを尽くしてさっぱりしたわけですね。

藤田 そう。オランダでやれることは、すべてやってみた。山の登り方を変えただけで、監督になるという目標は変えてない。

―― 欧州で監督になることが藤田さんの目標でした。今はフロント業務のほうに針路を変えたのでしょうか?

藤田 VVVではハイ(・ベルデン)さん、リーズではアンドレア(・ラドリザーニ)といった会長との仕事で学べることがたくさんある。それらから、「狭い視野のなかでいろいろ考えすぎないで、今やれることにベストを尽くそう!」とあらためて感じ、今はいろいろなことを膨らませようとしている。ヨーロッパにいる間に、いろんな世界を見たいと考えている。

 リーズから話があったとき、すでにコーチの席は全部埋まっていた。それでリーズに来るのをやめるのではなく、一度リーズというクラブの組織のなかに入ってみようと思った。僕は「(指導者として)現場をやりたい」という思いは強いけれど、これから1年リーズにいて、フロントサイドからの考え方も学びたい。

 だから、今の自分がやれることにベストを尽くしたい。現場に対しても、フロント業務に対しても、常に準備を怠らないというスタンスは変わらない。そして常にフレキシブルでいたい。

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