驚愕のクラシコを分析。スペイン人より詳しい3人がジダンの思惑を語る (5ページ目)

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中山 前半は、マドリーが攻めてバルサがそれを受ける、という構図が完全に出来上がっていましたね。ああなると、なかなかマドリーも決定機を作れない。昨季のマドリーならそれでも崩せたかもしれませんが、今季はクリスティアーノとベンゼマのコンビネーションも悪く、ふたりとも調子がよくないので、あれが限界なんでしょうね。

倉敷 それと、前半を語るときにどうしても外せないのが、クリスティアーノの空振りシーン(前半10分)です。あれは、単なる"弘法も筆の誤り"だったのでしょうか?

小澤 技術的な説明は難しいですけど、得意じゃない左足というのもあったし、あとは、あまりにもフリーで力み過ぎてしまったのか。

中山 誰もが目を疑ったシーンですね。ただ、今季のクリスティアーノはあそこまで派手ではないにしても、ゴール前で空振りしたり、楽に打てるシュートをミートできなかったりする場面が何度かあったんですよね。シーズン後半戦にコンディションを合わせているのかもしれないので現段階ではわかりませんが、もし後半戦もこのままの状態が続くと、いよいよ周囲から"衰え"という見方が囁(ささや)かれるかもしれませんね。

(さらに細かく後半を語る後編につづく)

左から、中山淳氏、倉敷保雄氏、小澤一郎氏左から、中山淳氏、倉敷保雄氏、小澤一郎氏倉敷保雄(くらしき・やすお)

1961年生まれ、大阪府出身。ラジオ福島アナウンサー、文化放送記者を経て、フリーに。現在はスカパー!やJ SPORTSでサッカー中継の実況として活動中。愛称はポルトガル語で「名手」を意味する「クラッキ」と苗字の倉敷をかけた「クラッキー」。番組司会、CM、ナレーション業務の他にゴジラ作品DVDのオーディオコメンタリーを数多く担当し、ディズニーアニメ研究のテキストも発表している。著作は「ことの次第」(ソル・メディア)など。

中山淳(なかやま・あつし)

1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌の編集部勤務、同誌編集長を経て独立。以降、スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカージャーナリストとしてサッカーおよびスポーツメディアに執筆。また、CS放送のサッカー関連番組に出演し、現在スポナビライブでラ・リーガ中継の解説も務めている。出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行う有限会社アルマンド代表。

小澤一郎(おざわ・いちろう)

1977年生まれ、京都府出身。サッカージャーナリスト。早稲田大学卒業後、社会人経験を経て渡西。バレンシアで5年間活動し、2010年 に帰国。日本とスペインで育成年代の指導経験を持ち、指導者目線の戦術・育成論やインタビューを得意とする。多数の媒体に執筆する傍ら、スポナビライブにてラ・リーガ(スペインリーグ)、スカパー!にてUEFAチャンピオンズリーグなどの試合解説もこなす。これまでに著書7冊、構成書4冊、訳書5冊を刊行。株式会社アレナトーレ所属。

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