2018.01.01

驚愕のクラシコを分析。スペイン人より
詳しい3人がジダンの思惑を語る

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倉敷 しかも、あの時のバルサはまだ"ネイマール・ショック(2017年8月3日にネイマールがパリ・サンジェルマンに移籍した騒動)"でチーム内が混乱した状態で、就任したばかりのバルベルデ監督のチームづくりも手探りの状態でした。イヴァン・ラキティッチも本調子とはほど遠い出来でしたしね。

中山 そう。バルサは3バックでスタートし、前半のうちに2点リードされて後半途中からは4バックに変更するなど、チームづくりそのものが進んでいない状態でしたよね。ジダン監督が、その辺りの事情をどういう風に解釈して今回のスタメン選びをしたのか、そこはすごく興味深い点です。

小澤 これだけ勝ち点差が広がった中で、絶対に勝たなければいけないという状況を迎えた時に、ハイプレスでバルサのよさを消しにいく戦術プランを選択したという部分に疑問は残りますね。個人的には、やっぱりイスコを中心としたボールポゼッション、中盤の構成力でバルサのよさを消しにいったほうがよかったのではないかと思っています。

倉敷 コヴァチッチを起用してメッシ対策に当てましたけど、結果的に前半はメッシが消えていたことで、コヴァチッチも消えてしまうという状況をジダン監督が選んだことになってしまいました。そこも含めて、小澤さんはこの試合の前半をどう分析していますか?

小澤 まず、コヴァチッチの起用で言えば、バルサが自陣深いところでボールを持ったビルドアップの局面ではコヴァチッチがセルヒオ・ブスケッツを見て、カゼミーロがメッシを見る。でも、ハイプレスをはがされる、あるいはロングボールを放り込まれて自陣にリトリートする局面ではコヴァチッチがポジションを下げて素早くメッシをつかまえ、カゼミーロかセルヒオ・ラモスがパウリーニョを見るというかたちでした。

 しかもマドリーは、バルサのビルドアップの局面ではオールコート・マンツーマンをやっていました。おそらくそこが、戦術的ないちばんのポイントだったと思います。マルセロとダニエル・カルバハルは、バルサのビルドアップ時に両サイドバックをつかまえに行っていましたし、マドリークラスのチームでもあれだけのハイプレスのオールコート・マンツーマンをやるのかと、そこは見ていて面白かった部分です。

 バルサとしては唯一フリーのGKマルク・アンドレ・テア・シュテーゲンが前線のパウリーニョめがけてロングボールを蹴るわけですが、それもマドリーがきちんと対応してセカンドボールも拾っていました。実際、前半はマドリーの狙いがはまっていたと思います。