2018.01.01

驚愕のクラシコを分析。スペイン人より
詳しい3人がジダンの思惑を語る

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小澤 確かに変化にはプラスとマイナスの両面がありますが、そういったスペインサッカー界としての古き良き文化は少し失われている気はします。

倉敷 そんな中で行なわれた今回のクラシコですが、小澤さんはこの試合にどんな印象を受けましたか?

小澤 まず全体として、両チームが今季の前半戦でやってきたことの差がそのまま出たという印象ですね。それと両監督の試合を見極める眼や戦術変更できる力という部分でも差が出たと思います。というのも、試合の入り方としては、マドリーはよかったと思うんです。結果的に批判の対象にはなりましたが、イスコではなくマテオ・コヴァチッチを使って開始からかなりハイプレスを仕掛けていった。でも、チャンスを作った前半に点を取れなかったところが今季のマドリーを象徴していたわけです。

 逆に、バルサは後半になってエルネスト・バルベルデ監督がパウリーニョの位置を少し下げて中盤に厚みを持たせ、ボールを保持できるようになりました。リオネル・メッシ、ルイス・スアレスの前線のプレッシング、プレスバックの強度も上がりましたので、確実にハーフタイムに具体的指示はあったはずです。

 しかし、そんなバルサの変化を見ても、マドリーのジネディーヌ・ジダン監督はなかなか手を打ちませんでした。選手交代でも後手を踏んだ印象で、2失点目の場面では攻撃の駒を2枚投入しようとしたところでダニエル・カルバハルが退場してしまい、急きょDFのナチョを先に入れなければならなくなった、というのがその象徴的なシーンだったと思います。

中山 そもそもジダン監督がイスコをスタメンから外したというのが驚きでしたね。今季はケガの影響もあって「BBC」(ベイル、ベンゼマ、クリスティアーノ・ロナウド)が揃わず、ずっとイスコ中心のチーム作りをしていたのに、まさかクラシコでそのイスコを外すとは予想できませんでした。クリスティアーノ・ロナウドとカリム・ベンゼマの不調を補ってきたのもイスコでしたから。やっぱりバルサに勝ち点11ポイント差をつけられていたという背景が、ジダンにそういう選択をさせたのでしょう。

 特に開幕前のスーペル・コパ第2戦(2017年8月16日)で、コヴァチッチがメッシをマンマークしてうまくいったことがジダン監督の頭に相当強く残っていたのだと思います。ただ、あの試合ではカゼミーロがベンチスタートで、システムもコヴァチッチを中盤の底に置いた4-3-3でした。コヴァチッチの役割が明確になっていたその時と、カゼミーロとの同時起用だった今回では、そこは違っていました。