武藤嘉紀にW杯への危機感。
「呼ばざるを得ない状況を作るしかない」

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by AFLO

 12月に入って復帰はしたものの、状況は悩ましかった。ケガの完治のためにはしっかりと実戦から離れたほうがいい。だがチームは15位、16位あたりを行ったり来たりする窮地に置かれ、武藤が出ていない4試合は1試合も勝てなかった。当然、チームの力にはなりたい。

 結局、リーグ戦前半の最終節に先発したが、出場は60分のみ。2017年最終戦のドイツ杯シュツットガルト戦は、後半12分からの途中出場だった。そのシュツットガルト戦後、武藤はまだ状態が完全ではないことを明かしている。

「だいぶよかったんだけど、試合中、やっぱり徐々に疲れてきて、違和感みたいなものが出てきた。でもまたそこで痛めたわけでもないので、しっかりここで休めれば......。トレーニングしながらしっかり休んで、とにかく体の疲労をしっかり取れればいいかなと思います」

 腰の影響か、思い切ったプレーができないシーンもあった。

「例えばサイドに流れたときに、思いきり1対1を仕掛けるとか、そういうのがちょっとしにくい。ちょっと消極的になってしまう部分もあるけれども、そこは怖さがどんどん取れていけば問題ないと思うので、大丈夫かな、と」

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