迷走する日本が、同じ島国アイスランドのサッカー強化に学ぶべきこと (4ページ目)

  • 井川洋一●文text by Igawa Yoichi
  • photo by Getty Images

 アイスランドのプレースタイルは「堅守速攻」と表現できるものだが、昨夏のフランスでも見せたように、小気味いいパスワークや練度の高い連係も披露する。幼少期から適切な指導を受け、多くの選手が長い時間を共有してきたチームだ。そんな背景を知れば、高いパフォーマンスも驚きではない。

 社会的な不正が少なく、幸福度の高い、長期的なプランを得意とするアイスランド。学ぶことを尊び、生きる知恵とタフな心身を備える人々は、厳しい気候と地理的な条件を乗り越えて、W杯にたどり着いた。火山の多い島国という共通点を持つ日本も、この20年あまりの彼らの歩みから学ぶべきところはたくさんあるような気がする。

 半年後のロシアでアイスランドが強大な敵を打ち負かし、天下統一に迫るかどうか、そこまではわからない。ただし、我々日本サッカーの後学のためにも注目しておくべきチームだと、僕は思う。

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