レアル・マドリードは呆れるほど強かった。南米王者は手も足も出ず (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 ところが、試合が始まってみると、3日前のアルジャジーラ戦はいったい何だったのか、と呆れるほど、レアルは強かった。

 試合開始直後、グレミオのキャプテン、DFペドロ・ジェロメウが、レアルのエース、FWクリスティアーノ・ロナウドに後方からレッドカードまがいのタックルで削り、宣戦布告したことも、今となっては悲しいくらい何の意味もなかったということになる。

 立ち上がりこそ、互いにボールへの寄せが早く、中盤でのつぶし合いが続いたが、前半10分を過ぎたあたりから、試合は完全にレアルのものに。怒涛の攻撃でグレミオゴールに迫った。

 クリスティアーノ・ロナウドを筆頭に、FWカリム・ベンゼマ、イスコ、MFルカ・モドリッチ、トニ・クロースなどなど、とにかく豪華な顔ぶれが次々に繰り出す攻撃は、コンビネーションに多少の粗(あら)が見えたものの、迫力十分だった。

 とはいえ、この日のレアルの際立つ強さを印象づけたのは、攻撃と表裏一体の守備である。守備から攻撃への切り替えが速く、一度グレミオに攻撃を止められても、ほとんど前にボールを運ばせることなく、敵陣ですぐにボールを奪い返し、攻め続けた。

 アルジャジーラ戦では、ボールを失ったあとの守備への切り替えが明らかに緩く、簡単にボールをつながれていたことを思えば、彼らの本気度の違いがうかがえる。

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