岡崎慎司が吉田麻也との駆け引きに勝った
2点目。その詳細を2人が語る

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 冷静に考えれば対処できたはずなんですけど。自分自身も冷静にプレーできていなかったと思う。結局、あのゴールで息の根を止められた。決定的なゴールだったなと思います」

 試合後に放送された英国のサッカー番組『マッチ・オブ・ザ・デイ』では、2得点を挙げた岡崎の特集が組まれた。

 元イングランド代表MFで現解説者のダニー・マーフィー氏が「見事な動きだ」と、特に力を込めていたのが、この2点目を呼び込んだ岡崎の走りだった。スピードの強弱のつけ方、ニアに飛び込むタイミング、そして、クロスボールに完璧に合わせたフィニッシュ。同氏は「今まで岡崎にはこの手のゴールがあまりなかったが、『これぞまさにストライカー』というゴールだ」と手放しで褒めていた。

 岡崎も常々、今回のようなクロスボールを点で合わせるゴールを獲りたいと口にしていた。しかし、「何度もやろうと思ってやっていたけど、なかなかあのような形のゴールがなかった」との言葉どおり、レスターではなかなか実現しなかった。

 まず、クロスボールを点で合わせてシュートを放つには、クロスの出し手が岡崎の「動き方」や「得意な形」を熟知していなければならない。特に加入1年目は、岡崎が絶妙なタイミングでゴール前に飛び込んでも、それを察知できないチームメイトが他の選手にクロスを入れてしまうことが多かった。

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