本田圭佑は日本代表の最終兵器か。
クラブW杯の大ハッスルにみる使い道

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Etsuo Hara/Getty Images

 準々決勝のウィダード戦での本田は、ボールに触れる機会こそ多かったが、パスをさばくばかりの淡白なプレーが多かった。両チームともにミスの多い落ち着かない試合になったことで、無理せずバランスをとらざるを得ない面もあったのかもしれない。

 だが、明らかに試合のレベルが一段上がったグレミオ戦では、ボールに触れる回数は減ったが、むしろ存在感は際立った。

南米王者を敵に回して再三チャンスを作った本田圭佑南米王者を敵に回して再三チャンスを作った本田圭佑 本田が攻撃の推進力を生み出した場面は、主に3つ。まずは前半29分、MFエリック・アギーレがボールを持って顔を上げた瞬間を見逃さず、DFライン裏のスペースへ走り込み、浮き球のパスを引き出した。

 前半ロスタイムの46分には、自陣でパスを受け、ワンタッチでMFビクトル・グスマンにボールを渡すと、リターンを受け取り、ドリブルで前進。さらにFWフランコ・ハラとのパス交換で相手DFラインを破りかけた。

 そして後半54分には、中盤でパスを受けて前を向くと、DFラインの裏へ走り込むアギーレへ、タイミングよくスルーパスを通した。

 いずれの場面も結果的には相手DFの戻りが早く、シュートまでは至らなかったのだが、パスの受け手にも出し手にもなれる本田のよさが表れていた。

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