原口元気、屈辱の「敗戦処理」。ヘルタでの冷遇にいつまで耐えるのか (4ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 ところが、事は彼の思うようには進んでいない。それどころか、事態はむしろ3カ月前よりも悪化してさえいる。

 だが、その一方で、原口の表情には当時よりも落ち着きが生まれているように感じる。

 3カ月前の原口は、うつむき加減で、あまり表情も変えずに話していた。ところが今回は、時折、横を向いて遠くに視線を送ったり、考えを整理するように上を見たりすることはあっても、基本的にはしっかりと前を向き、質問者の目を見て話をしていた。

 また、話す言葉にはいくらかの含みがあり、歯切れが悪かったのは確かだが、話している間には笑顔も多く見られた。それも「苦笑まじりに」や「自嘲気味に」といった表現を加える必要のない、どこかすっきりとした笑顔に見えた。

 正直、それが何を意味するのかはわからない。単純にこの日の自身のプレーに納得できていただけかもしれないし、もはや、もどかしさや苛立ちを通り越し、あきらめに似た感情が芽生えてしまったからなのかもしれない。あるいは、もしかすると冬の移籍に向けて何か進展があったなどということも、ないとは言い切れない。

 いずれにせよ、原口の心の内を知ることはできないが、ただひとつ確かなことは、ヘルタで彼が置かれた状況が突然よくなることはないということだ。原口が語る。

「これで(次のリーグ戦の)メンバーに入れないようだったら、僕が足りないだけだから。(ウインターブレイクまで)残りちょっとなんで、いい意味で休みというか、ブレイクがあるから、そこで何か起きるかもしれない」

 不遇が続く原口は、どんな形でシーズン前半戦を終えるのか。ドイツ・ブンデスリーガはあと1週間ほどでウインターブレイクを迎える。

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