原口元気、屈辱の「敗戦処理」。ヘルタでの冷遇にいつまで耐えるのか (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 しかし現状においては、この試合での原口のプレーが、彼の未来を明るいものにするかどうかは疑わしい。それ以前に、そもそも指揮官が原口のプレーに関心を持っていたのかどうかすら疑問に思えてくる。

 ヘルタはこの試合、週末のリーグ戦に備えて主力のほとんどを温存した。先発メンバーのなかには、今季公式戦初出場の第3GK、20歳のジョナサン・クリンスマンをはじめ、20歳前後の選手を中心とした控え組が多く含まれていた。18歳のMFパル・ダルダイ・ジュニアなど、若手に経験を積ませる場として生かされたとも言えるが、言い換えれば、彼らはいわば"敗戦処理"をさせられたわけである。そのなかに26歳の原口が含まれていたことは、手放しに喜べることではなかった。

 試合を振り返る原口の言葉も、歯切れが悪くなって当然である。

「思うところは多々ありますけど、それを晴らせるのはピッチしかないので。今日晴らせなかったから、いつか......、いつかというか、近いうちに必ず、まあチャンスがあればですけど、晴らせるようにしたいですけどね」

 不本意な形で訪れた出場機会であろうと、今の原口にとってチャンスはチャンス。久しぶりの先発出場にも、入れ込み過ぎないように注意をしたと原口は言う。

「なんで(自分を)使わないんだって気持ちは常に持ってやってきたので、それを結果で出せなかったのは残念ですけど。チームも勝てなかったし、まあ......、悔しいですね」

 当然、試合から遠ざかる時間が長くなるほど、コンディション調整は難しくなる。「(出場していない)試合の分は(通常の練習にプラスして)必ず走っていたし、相当自分に対して負荷をかけてきたつもり」と原口。「これまでやってきた自信もある反面、久しぶりすぎて、ちょっと感覚を忘れていた部分もあった」と語る。

 それでも「プレー自体は常に落ち着きながらできていた。欲を言えば、もっと仕掛けられたらよかったかなと思いますけど、今のコンディションを考えると、最善は尽くしたかなと思います」。

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