困ったぞ、ハリル。ポーランドは弱点の守備もテコ入れ、監督も人格者 (2ページ目)

  • 遠藤孝輔●取材・文 text by Endo Kosuke
  • photo by AFLO

「ポーランド人は単純にサッカーを愛しています。とにかく熱狂的なサッカー愛好家があちこちにいます。多くの人々が共有する夢(タイトル)は叶っていませんが、我々にはすばらしい代表チームがあります。1600年から1945年まで43回も自国を侵略され、自由を求めてきたポーランド人は悲惨な歴史を思い出したくない。それよりも未来へ目を向け、現代的でエキサイティングな人(選手)と自国を関連づけたいのです」

 野暮なツッコミを入れるなら、ポーランド代表は過去にビッグタイトルを手にしていないわけではない。1972年のミュンヘン五輪で金メダルに輝いているのだ。

 ただ、それは共産主義の時代の話。1974年ワールドカップ得点王のFWグジェゴシ・ラトーやゲームメイカーのMFカジミエシュ・デイナら名手を擁した1970年代のチームが自国のサッカー史を華やかに彩っているのは確かだが、現代を生きるポーランド国民の多くは2006年のドイツ大会以来8回目のワールドカップに挑む今の「オルィ(ポーランド代表の愛称で鷲の意味)」に特大の期待を寄せている。

 国民性うんぬんを抜きにしても、現在のポーランド代表はロシア大会のダークホースと呼ぶにふさわしい実績を重ねてきた。

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