まずいぞ、ハリル。コロンビアは前回より大幅強化、日本は眼中になし (4ページ目)

  • 三村高之●文 text by Mimura Takayuki photo by AP/AFLO

 ただ、カルドナは守備への貢献が低いところまでリケルメに似ている。ロドリゲスと同時起用なら右の中盤に入るはずなので、日本はそのサイドから攻撃を仕掛けることが得策となるだろう。

 日本にとって前回の対戦と違うのは、ブラジル大会はグループリーグ最後の第3戦だったが、ロシア大会では初戦で当たることだ。これは日本にとって有利な点といえる。なぜならコロンビアには、黒星スタートだけは避けたいとの思いが強いからだ。おそらく「普通にやって勝てればいい。無理をして失点しないように」というゲーム運びになるはずだ。であれば、胸を借りる立場の日本だが、ここは積極的にいかず、凡戦覚悟での引き分け狙いに徹するという手もある。

 今回のW杯南米予選最終節で、コロンビアはペルーと1-1で引き分けた。この結果、コロンビア4位、ペルーは5位で大陸間プレーオフに回り、6位のチリが予選落ちとなった。この引き分けにより割を喰ったチリは、「あの試合は両国が申し合わせて引き分けにした」とFIFAに提訴したが、認められなかった。いわゆる八百長ではないが、試合の流れによってお互い本気にならず、"なあなあ"の展開で引き分けた一戦だった。日本の常識では考えられないが、南米では十分あり得ることでもある。相手の立ち上がりが消極的だったら、それに合わせてみるのもひとつの方法だ。

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