浦和がレアルを倒せば激突?
クラブW杯のグレミオはドローンも武器

  • 沢田啓明●文 text by Sawada Hiroaki photo by Getty Images

 この大会でグレミオは1983年と1995年に優勝しており、これが22年ぶり3度目の制覇。ブラジルのクラブが優勝したのは2013年のアトレチコ・ミネイロ以来4年ぶりで、宿敵アルゼンチンのクラブを敵地で倒して優勝したのは、1963年のサントス以来、実に54年ぶりの快挙だった。

 実は、決勝第1戦の2日前、グレミオはある"不祥事"を暴かれていた。ブラジルのテレビが、「ラヌースの練習場へ送り込まれたグレミオのスパイが超小型カメラを搭載したドローンを飛ばして非公開練習を撮影し、戦術などの極秘情報を盗んだ」と報じたのである。

 当初、グレミオの首脳は「我々は全く関知していない」と全面否定していたが、報道の翌日には、レナト・ガウショ監督が「世の中では賢い者が勝つんだ。対戦相手の情報を集めてどこが悪い」と開き直って物議を醸した。

 レナト・ガウショは俳優リチャード・ギア似の二枚目。1983年にトヨタカップを制したグレミオのエースストライカーだったから、憶えている日本のサッカーファンも多いだろう。名うてのプレイボーイで、自由奔放な言動で知られたが、指導者となった今もやんちゃぶりは変わらない。その反面、実は緻密な戦術家で、選手のモチベーションを高め、チームをまとめる術(すべ)も心得ている。

 この結果、グレミオは、12月6日から16日までアラブ首長国連邦(UAE)で開催される世界クラブW杯に南米代表として出場し、12日の準決勝で、本田圭佑が所属する北中米カリブ代表パチューカ(メキシコ)とアフリカ代表ウィダード・カサブランカ(モロッコ)の勝者と対戦する。

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