浦和がレアルを倒せば激突?クラブW杯のグレミオはドローンも武器 (2ページ目)

  • 沢田啓明●文 text by Sawada Hiroaki photo by Getty Images

 そして11月29日、アルゼンチンの首都ブエノスアイレス郊外で行なわれた決勝第2戦。スタンドは4万人の地元サポーターで超満員となった。試合開始の1時間以上前から総立ちで、腕を振り回して野太い声でチャントを歌い続け、グレミオ選手は身の毛がよだつような恐怖にも似た感情に襲われたはずだ。

 ところが、いざ試合が始まると、主導権を握ったのはグレミオの方だった。まるで第1戦のラヌースを見習ったかのように、高い位置からの強烈なプレスで相手の攻撃を封じると、危険極まりない高速カウンターを繰り出す。

 前半27分、ピッチ中央で快速左ウイングのフェルナンジーニョがラヌース選手のパスをインターセプトし、ドリブルで30m以上を疾走。ペナルティエリアに入ったところで左足を強烈に振り抜き、ニアサイドに突き刺した。さらに42分、左サイドでパスを受けたMFルアンが、パスを出すと見せかけてドリブルで突き進み、シュートフェイントでDF2人を一気に置き去りにすると、飛び出してきたGKの肩口を抜く華麗なループシュートを決めた。

 後半はラヌースも必死に反撃。72分、FWラウタロ・アコスタがゴール前でグレミオDFに倒されてPKを獲得すると、これをCFのホセ・サンドが決めた。しかし、グレミオの選手は精神的に逞(たくま)しく、失点にも動じない。83分にはMFラミーロが退場処分を受けて数的不利となったが、粘り強い守備でラヌースの猛攻を耐え抜き、2-1で勝ち切った。

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