スペイン3季目の鈴木大輔。3億円オファーを断り2部で泥臭く戦う男 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Nakashima Daisuke/AFLO

 鈴木は激動の3シーズンを振り返って、コーヒーカップに口をつけた。

 1年目はいきなりセンターバックとして先発を勝ち取り、リーグ戦3位となって昇格プレーオフを戦ったが、あと一歩で1部には上がれていない。2年目は不動の主力になるが、チームが開幕から低迷し、監督解任劇などがあって、最後はギリギリの残留戦で勝ち残った。そして3年目も序盤戦で監督が交代し、目が回るような日々を送っている。

 日本人DFはその中で、先発から外れる試合はあったが、メンバーに入らなかったことはない。4バックのセンターバックだけでなく、3バックのセンターバック、右サイドバック、左サイドバックを経験した。

「ディフェンスのポジションはすべてやりましたね。右ウィングバックで起用されたときは、さすがに何を求められているのか、迷いましたけど」

 そう言って、鈴木は快活に笑う。

「1年目と2年目でチームとしての結果は大きく違いました。確かに主力選手は入れ替わっているんですが、それよりも、それだけチーム間に差がない、ということが理由なんだと思います。何かひとつ間違っただけで、天地ほどの差がついてしまう。そういうレベルの戦いなんだと思います。ここで何年も揉まれていたら、それは力がつきますよ」

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