2017.11.27

香川真司は不出場、監督はなぜか留任。
迷走ドルトムントはどこへ行く

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 だが、結論は何も変わらず、ボス監督は続投することになった。ハンス・ヨアヒム・ヴァツケCEOはボスとチームに「明確な期待を寄せている」とした。一方、シーズン半ばでドルトムントを去りアーセナルに移籍した敏腕スカウトのスヴェン・ミスリンタート氏(香川を発掘したことで名を上げた)については、「彼を手放すことは痛手で、この1年半の彼への対応は、私のミスだった」と、正直に語っている。

 トーマス・トゥヘル前監督時代は、ヴァツケCEOと監督との不仲がメディアで報じられることが多々あった。だが今回、そういった雑音は聞こえてこない。また香川だけでなく、マルセル・シュメルツァーら主力選手たちは、今でもボス監督への信頼を口にしている。少なくとも昨季、チームの雰囲気が悪くなって、選手が指揮官への不信感をチラつかせたような空気はない。後任が見当たらないという可能性もあるが、このあたりの"円満ムード"が監督解任へと踏み切れない理由のひとつかもしれない。

 客観的に見ると、現在のドルトムントは質の高い選手を揃えているかどうかも疑わしいところがある。10月の代表戦でドイツ代表に選ばれた選手はいなかった。11月の代表戦ではマリオ・ゲッツェただひとり。選手起用の台所事情は厳しく、レヴィア・ダービーでは途中交代で出場したダン・アクセル・ザガドゥのプレーがそのまま失点に繋がっていた。
現状ではベンチを含めて18人全員がクオリティの高い選手であるとは言えないのだ。

 はたしてドルトムントは監督を代えず、テコ入れも行なわず、このままシーズンを突き進むつもりなのだろうか。疑問は尽きない。



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