香川真司は不出場、監督はなぜか留任。
迷走ドルトムントはどこへ行く

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 香川だけでなく、この日のドルトムントはチームの指示により全選手がメディア対応を行なわなかった。ダービーという大一番で勝ち点1。最近の不調の中では悪くないようにも思えるが、4点を守り切れなかったのはいただけない。最近の状況にクラブが危機感を持っているのは間違いない。

 9月30日のアウクスブルク戦に勝利して以降、10戦して勝ったのは格下相手のドイツ杯のみ。残る9試合はリーグ戦で2分4敗、チャンピオンズリーグで2分1敗と、本当に不甲斐ない結果が続いている。

 当然、注目を集めるのは指揮官の去就だ。先週はドルトムントのレジェンド的な元監督、オリバー・ヒッツフェルトの現場復帰が様々なメディアでまことしやかに報じられた。本人の否定でようやく騒ぎは収まったが、ペーター・ボス監督が辞めるのはいつか、後任は誰になるのかが最大の関心事だった。

 ダービー翌日の26日、ドルトムントではクラブの年次総会が開催された。過去1年間の総括、決算報告や、役員選出などが行なわれる、選手も含めて1000人余りが出席するこの席で、ボス監督について何らかの判断が下されるのではないかとドイツメディアは予測していた。ドルトムントの地元紙ルールナハリヒテンは、わざわざ会議の模様をテキスト中継によってリアルタイムで追ったほどだ。

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