アジア人対決も韓国代表FWに軍配。香川真司の夢を砕いたトッテナム (2ページ目)

  • 井川洋一●文 text by Igawa Yoichi
  • photo by Getty Images

 その会見の翌日、サポーターの熱と威圧感では欧州でも有数と言っていいドルトムントのホームスタジアム(BVBシュタディオン)で、彼らは見事な逆転勝利を収めた。すでにグループH突破を決めていたトッテナムにとって、敵地での勝利はマストではなかったはずだが、不振を極めるドルトムントは、充実一途をたどる彼らの敵ではなかった。

 トッテナムは、「5−3−2」の陣形で自陣にコンパクトなブロックを作り、ドルトムントの攻撃を受け止め、ボールを奪うとすぐさま反撃に転じる。ここまでの勝ち点がわずか「2」しかないホームチームは、是が非でも白星を手にしたい。両チームが置かれている状況を考慮すれば、ドルトムントがボールを保持し、スパーズが逆襲を狙う形は妥当なものだった。

 スタンドから「BVB!!」(ドルトムントの略称)の大きなコールを受けたドルトムントは31分、アンドリー・ヤルモレンコのバックヒールのパスを、ピエール・エメリク・オーバメヤンが確実に仕留めて先制する。前半終了5分前には、GKロマン・ビュルキがエリック・ダイアーの至近距離からのヘディングシュートを見事にセーブ。週末のシュツットガルト戦で信じられないようなミスを犯し、地元紙から「スイス・チーズ」と、スカスカの守備を揶揄(やゆ)されたスイス人GKは、汚名返上とばかりにビッグセーブを披露。試合を1-0で折り返した。

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