W杯目前で散った北アイルランドに見る、厳しくも奥深い欧州サッカー (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 しかし、ヨーロッパの出場枠は、開催国のロシアを含めても14カ国にすぎない。ユーロの24カ国に比べると、W杯は格段に狭き門である。

 上記の"伏兵国"のうち、9組に分かれて行なわれた予選グループを1位で勝ち抜き、出場権を獲得できたのはアイスランドのみ。ウェールズ、ハンガリーはあえなく予選敗退に終わった。特にウェールズは、ホームでの最終戦で引き分け以上ならばプレーオフに進出できたが、アイルランドに0-1で敗れ、土壇場で夢絶たれた。世界的スターであるFWガレス・ベイルを擁し、大陸選手権で4強入りを果たした国でさえ、手が届かない。ヨーロッパからW杯に出場することの難しさを、残酷な結末は物語る。

 そんななか、"ユーロ躍進組"の最後の砦ともいえる存在となっていたのが、北アイルランドだった。

 北アイルランドは、予選グループでドイツに1位を譲ったものの、チェコ、ノルウェーとの競り合いを制し、2位を確保。スイスとのプレーオフへ駒を進めた。ホーム・アンド・アウェーの2試合で勝利できれば、1986年メキシコ大会以来の本大会出場。32年ぶりとなる夢の実現まで、あと一歩のところに迫っていた。

 現地時間の11月9日に北アイルランド・ベルファストで行なわれたプレーオフ第1戦は、スイスが1-0で先勝。そして、雌雄を決する第2戦が11月12日、スイス・バーゼルで行なわれた。

 スイスが勝利した第1戦、唯一の得点はPKによるものだった。そのPKにしても、シュートが腕に当たったという判定はかなり微妙なもので、北アイルランドにとっては不運な結果ではあった。

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