ベルギー人もゾッコンの森岡亮太。「興味なかった」ハリルに見せつけろ (3ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by JFA/AFLO

 3月19日のルフ・ホジューフ戦でも出場機会は与えられず、森岡は「ポーランドまで来て、なんで俺はベンチ要員になっているんだ」と悩んだ。

「新しい監督になってから、ポーランド語を話せない外国人選手はレッスンを受けないといけませんでした。ただ、そのレッスンは英語で行なうのですが、あのときの自分は英語もわからなかった。『これじゃあ、いつまで経っても試合に出られない。きついな......』と思いましたね」

 ところが4月1日のレフ・ポズナン戦で、森岡に転機が訪れる。試合前の戦術練習でも控え組だった森岡は、「ベンチだろうな」と思って試合当日を迎えていた。ところがロッカールームに入ると、その日の戦術を説明する用紙に、セットプレーのキッカーとして『10』という森岡の背番号が書かれてあった。

「あっ、俺、試合に出るんだ」と気づいた森岡は、大急ぎで準備を始めたという。

「『10』という番号を見た瞬間、『ここでやるしかない』と思いました。チームはパワー頼みのサッカーをしていて、スタジアムでもファンのため息が漏れていた。『そんなチームで俺は......』と、そうネガティブに考えていた時期でした。そこで急にチャンスがやって来た。『俺が上に上がれる選手だったら、絶対にここで結果が出る』と、自分に言い聞かせたんです」

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