カリスマなき老将、高齢DF陣...。W杯プレーオフのイタリアは大丈夫か (3ページ目)

  • 井川洋一●文 text by Igawa Yoichi
  • photo by Getty Images

 対するスウェーデンには、EURO2016までチームを大黒柱として支えたズラタン・イブラヒモビッチがいなくなった。その代役を任されているのは、もともと彼と2トップを組んでいたマルクス・ベリだ。ただ、今予選ではチーム最多の8得点を挙げているとはいえ、ほとんどが格下との対戦で記録したもの。2009年のU-21欧州選手権を制し、大会得点王になった際には将来を嘱望されたが、その後は第一線で活躍できていない。

 ギリシャリーグでは4年連続2桁得点を記録したものの、「現役生活の終盤に経済的なメリットを優先して」(前所属先のパナシナイコスの声明)、現在はUAEのアル・アインでプレーしている。当然ながら、イブラヒモビッチほどの存在感とクオリティーはなく、彼と前線でコンビを組むヨン・グイデッティやオラ・トイボネンはさらに心許ない。

 それでも、伝統の規律とソリッドな守備は健在で、エースナンバーを背負うエミル・フォルスベリは急成長を遂げている。予選グループAではオランダを抑えて2位でフィニッシュしており、実績に勝るイタリアとの2試合は接戦になりそうだ。

 もしイタリアが負ければ、1958年スウェーデン大会以来の予選敗退となり、歴代優勝国では今大会唯一の不参加となる。すでにオランダ、チリ、アメリカ、カメルーンといったW杯の常連国の不参加が決まっているなか、アズーリまで出られないとなれば、ロシア大会はいつもよりちょっと寂しいものになるだろう。

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