美しく攻め、失点やむなし。リーガを彩る「クライフ主義者」たちの戦術 (4ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 中島大介●撮影 photo by Nakashima Daisuke

 その一方で、守備ではGKも含めて高い位置を保っているだけに、ディフェンスラインの裏の広大なスペースを狙われた。また、GKの頭上を抜くループシュートを打たれる場面もあった。決定的に、トランジション(攻守の切り替え)に弱点がある。前に人数をかけ、ボールを回して、失ったら一気にピンチになってしまうのだ。

「我々には、インスピレーションと輝きが足りなかった。もっとチャンスを作れるだけの力はあるはずなのだが」

 セティエン監督は試合後に語ったが、ラインの裏を突くパスを通されて失点し、なすすべなく敗れた。GKのアントニオ・アダンのセービングだけが目立った。伝説のクライフの領域には、まだ程遠い。

 しかし、難しい挑戦がフットボールを革新させる。ボールゲームの追求。クライフ・チルドレンたちはそこに「正義」を見出すのだ。

■海外サッカー 記事一覧>>

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る