うらやましいぞ、イングランド。U-17W杯も制した、この強さは何だ (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 このスタイルチェンジにおいて、重要な役割を担うのが、センターバックとボランチである。彼らがスムーズにボールを動かすことができず、相手のプレスに狙われてしまえば、攻撃は必然、長いボールを蹴るしかなくなってしまう。ところが、今のイングランドの若い世代を見ていると、これはU-20代表にも共通することだが、このキーポジションに人材がそろっているのだ。

 今回の決勝でも、前線からのプレスでパスコースを制限しようとするスペインに対し、テンポよくパスをつなぐだけでなく、ときには1本のロングボールで相手の背後を突き、ときには自らボールを前に持ち出し、確実に攻撃を組み立てていた。失礼ながら、かつての大味なイングランド・サッカーからは想像もできないほど、現在の若い世代は細かな自在性を備えている。

 それにしても、このところの年代別代表におけるイングランドの充実ぶりには、目を見張るものがある。

 図らずも今年、A代表以下、U-21、U-20、U-17と、4世代のイングランド代表を見る機会を得たが、年齢が下へいくほど、チームとして志向するサッカーが洗練されており、選手個々を見てもタレントがそろっていた。

 クーパー監督は「U-20に続いて優勝できたことは、とてもスペシャルなこと」と言い、こう続ける。

「ラッキーなことに、私は監督として優勝を味わえたが、この優勝トロフィーは、FA(イングランド・サッカー協会)の全員が献身的にやってきたことの成果だ」

4 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る