「シンジ、頼む」。毎年チームの
窮地を救う岡崎は、レスターの心臓部だ

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 そして、何よりも大きかったのは、岡崎の復帰でレスターが「らしさ」を取り戻したことである。

 精力的にピッチを走り回る背番号20は、守備時に「インサイドハーフみたいな形で下がって」(岡崎)後方部をサポートし、プレスとプレスバックで敵のパスコースを限定させた。そして攻撃時になると、ペナルティエリア内まで突っ走ってゴールを狙う。ワンタッチで叩いて攻撃のリズムを生んだり、相手を背負いながらターンして局面打開を図ったりと、岡崎は実に多くの仕事をこなした。

 おかげでレスターは、「まずはきっちり守備を固め、ショート&ロングのカウンターで攻撃を仕掛ける」という原点に立ち戻ることができた。アップルトン暫定監督も「すばらしい仕事をしてくれた」と日本代表FWを賞賛。試合後の岡崎は「こういう状況になると、自分が先発でまた使われるという。(監督交代時に先発に復帰するのは)いつも簡単なことじゃないんですけど」と苦笑いを浮かべていたが、「むしろ、『頼む』みたいな感じでしたけど」と、周囲に期待されてピッチに送り出されていたことを明かした。

 そんな周囲の期待に応えるかのように、ゴールでもチームを助けた。1-0のリードで迎えた49分。エリア内でMFリヤド・マフレズが落としたボールを押し込み、国内リーグ戦で4点目を挙げた。

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