シェイクスピア監督の電撃解任で、レスター岡崎慎司の今後はどうなる? (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 とはいえ、繰り返しになるが、解任の決断は性急すぎた。

 おそらく副会長の実父であるヴィチャイ会長としては、クラブ史上最高額となる6000万ポンド(約90億円)の補強費を夏の市場で投下したのだから、現在の成績とパフォーマンスに納得がいかないのだろう。母国タイで免税店の経営から成り上がったというビジネス色の強いヴィチャイ会長にとっては、数字こそがすべてなのかもしれない。

 しかし、2年前のリーグ優勝自体が「奇跡」で、もともとは「プレミア残留」が目標であるはずのレスターのクラブ規模を考えれば、シーズン序盤で下位に沈むことは想定の範囲内であるべきだ。だからこそ、クラブOBのガリー・リネカーは解任劇に「愚行」と叫び、2年前までチームに在籍した元オーストラリア代表GKのマーク・シュウォーツァーも「シェイクスピアは選手たちに近い存在。対戦相手も強豪ばかりで、厳しすぎる決断」と異議を唱えているのだろう。

 要するに、身の丈にあったクラブ運営ができていないということだ。

 さて今後、気になるのは後任人事である。英紙『デイリー・テレグラフ』によると、"野心家"のヴィチャイ会長はカルロ・アンチェロッティ(前バイエルン・ミュンヘン)やロベルト・マンチーニ(現ゼニト)といったビッグネームの招聘に動く意向だという。そのほかでは、バーンリーのショーン・ダイク監督、ウェールズ代表のクリス・コールマン監督らの名前が挙がっている。

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