プレミアで再びキャプテンの吉田麻也。「そういう立場は自覚している」 (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 どうにか流れを変えようと、吉田も左サイドを駆け上がってクロスを供給したり、前方にボールを持ち運んで大きくパスを展開してみたが、いずれも得点チャンスには結びつかなかった。

 そんな歯車の噛み合わないサウサンプトンは、20分に先制ゴールを被弾する。後半開始直後に同点に追いついたが、わずか2分後にふたたび失点してリードを許すなど流れを掴めない。それでも、75分にPKで同点ゴールを奪って2-2の引き分けに持ち込んだが、「どうにかこうにか引き分けている感じ......。簡単に失点してしまっているし、よくないなと思います」と、吉田も肩を落としていた。

 この試合で強く印象に残ったのは、主将として苦境を打破しようとする吉田の姿だった。

 それは、サウサンプトンがPKで同点に追いついた直後の場面。同点ゴールにチームメイトが沸くなか、吉田はその輪に加わらず、テクニカルエリアにいるペジェグリーノ監督のもとにひとり走り寄って指示を仰いだ。指揮官と会話を交わして素早くピッチに戻ると、自陣に帰ってきた味方たちに伝え、これからどう動いていくかの意思統一を図っていた。

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