日本は勝てるのか。W杯欧州予選1位通過の「伏兵国」はこんなに強い (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 そのチームの中軸を担っているのが、トップ下でプレーする10番MFギルフィ・シグルズソン(エバートン)とキャプテンのMFアーロン・グンナルソン(カーディフ・シティ)のふたりだ。シグルズソンはアイスランドサッカー界の英雄エイドゥル・グジョンセンの後継者とも言える同国のスター選手。テクニック、戦術眼、精度の高いフリーキックを武器に、ほとんどの得点に絡むなどチームに不可欠な駒となっている。

 一方、立派な顎ひげがトレードマークのグンナルソンはボランチの一角としてプレーする「チームの舵取り役」。お馴染みのロングスローに注目が集まりがちだが、球際の強さや技術の高さに加え、文字どおり"不屈の精神"を前面に出したプレーぶりがチーム全体を鼓舞。精神的支柱にもなっている。

 彼らを含めた多くの選手たちは、2007年に出場わずか8チームのユーロU-17本大会に出場を果たした黄金世代だ。アイスランドの約33万人という人口がW杯史上最少記録となったことが注目されがちだが、ヘイミル・ハルグリームソン監督率いるチームがロシアでグループリーグ突破を果たしても何ら不思議ではない実力者であることは覚えておきたい。

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