日本は勝てるのか。W杯欧州予選1位通過の「伏兵国」はこんなに強い (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 とりわけ今回の予選突破で世界を驚かせたのが、近年急激な成長を遂げているアイスランドだ。アイスランドと言えば、昨年フランスで開催されたユーロ2016においても初出場でベスト8進出という快挙を成し遂げたことで世界の注目を浴びたばかりだが、その勢いは今回のW杯予選でも続き、クロアチア、ウクライナ、トルコといった強豪を押さえて見事にグループ首位通過。悲願のW杯初出場を手中にしたことで、ユーロでの躍進がフロックではなかったことを証明してみせた。

 チーム最大の特長は、選手全員の並外れたハードワークをベースとした組織的な守備と、シンプルな攻撃。速攻時は1本のロングパスでディフェンダーの背後を突き、遅攻時にはサイドからクロスを入れてゴール前で仕留めるかたちは実に効率的だ。しかもコーナーキックとロングスローからの得点パターンも豊富なので、自分たちのリズムではない時間帯においても得点できるという強みもある。

 今予選でタレント軍団クロアチアを上回るグループトップの16得点をマークしたことからもわかるように、アイスランドを単なる堅守速攻のチームとして見てしまうと、そこには落とし穴が待っている。基本システムが4−4−2から4−2−3−1に変化した点も含め、これがユーロ2016時からもっとも進化している部分だ。

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