没落したオランダ代表とノキアの携帯。世界を席巻した後に落ちた地獄 (3ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

 オランダリーグには国民を熱狂させるような「ナショナルスター」はいなくとも、おらがクラブの「ローカルヒーロー」がいる。アヤックスのMFラセ・シェーネ(31歳)、PSVのFWイルビング・ロサノ(22歳/メキシコ代表の彼だけはスーパースターになりそうな例外的なタレントだ!)、フェイエノールトのMFイェンス・トールンストラ(28歳)、ADOデン・ハーグのDFトム・ブヘルスダイク(27歳)と、その土地土地(とちどち)には地元のファンから愛されるローカルヒーローが活躍しているのだ。

 残念ながら、オランダ代表と同様に今のオランダリーグのチームには、横パスやバックパスを多用する「ポゼッションを目的としたポゼッションサッカー」が横行している。しかし、NRCハンデルスブラット紙が「悪いフットボールも、同じくフットボールだ。フットボールにはドラッグのような中毒性がある」と書いたように、オランダ人の足がスタジアムから遠ざかることは決してないのである。

 10月10日、ワールドカップ欧州予選グループA3位のオランダはスウェーデンに2-0で勝利し、勝ち点19で並んだものの、開いた得失点差(スウェーデン=+17、オランダ=+9)は埋めようがなく、ロシア行きのミッションに失敗してしまった。長らくオランダサッカーを引っ張ってきたFWアリエン・ロッベン(33歳/バイエルン)が代表を引退し、ディック・アドフォカート監督は11月の親善試合を最後に去ることになるだろう。

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