メッシには従うが、カバーニは認めん。パリの新王様・ネイマールの野望 (2ページ目)

  • 沢田啓明●文 text by Sawada Hiroaki photo by Sano Miki

 翌27日、PSGはチャンピオンズリーグ(CL)グループリーグでバイエルン・ミュンヘンと対戦。騒動後、ネイマールとカバーニが一緒にプレーする最初の試合で、2人の関係はどうなのか、PKがあれば誰が蹴るのかも注目を集めた。

 2分、ネイマールのドリブル突破からダニエウ・アウベスがシュートを決めてPSGが先制する。大喜びするブラジル軍団に対し、カバーニは控えめに喜びの輪に加わった。
 
 2人の亀裂が明白になったのは、31分にPSGが追加点を挙げたときだった。キリアン・ムバッペが右サイドを突破してクロスを入れると、カバーニがゴールに蹴り込んだ。このとき、ネイマールはカバーニのすぐ近くにいたにもかかわらず、あえて遠くのムバッペに駆け寄って抱きついたからだ。

 そして30日に行なわれたリーグアン第8節のボルドー戦(ホーム)では、ゴールに近い位置のFKを2人が1度ずつ担い、PKはネイマールが蹴って決めた。

 一連のプレーを見て感じられたのは、どうやらエメリ監督がPKキッカーにネイマールを選んだらしいこと、FKについては誰が蹴るかは選手たちに任せているらしいことだ。

 今後のネイマールとカバーニの関係に関しては、いくつかの仮説が考えられる。ネイマールは相変わらずPKを蹴ることにこだわっており、ひいてはチームの王様になりたいと思っているようだ。このため、必要とあれば他のブラジル選手や自分の"子分"となりつつあるムバッペらと組んでカバーニ外しに動くかもしれない。

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