W杯予選のアルゼンチンが危機。
ペルーをビビらせる会場で必勝を期す

  • 三村高之●文 text by Mimura Takayuki photo by Getty Images

 しかし、これが吉と出るかどうかはわからない。エースのメッシは幼くしてスペインに渡ったためアルゼンチンリーグを経験しておらず、ボンボネーラでプレーしたのは13年前のチャリティーマッチで一度だけ。イカルディは皆無のはずだ。

 さらに、ボンボネーラでのペルー戦といえば過去に苦い思い出がある。1970年メキシコW杯の予選最終節、アルゼンチンは2-2でペルーと引き分けて初の予選落ちを喫したのだ。今回、会場を奪われた形となったリーベルの会長は、「ボンボネーラでペルーと戦うなんて、縁起が悪い」と、この決定に不満を漏らしている。

 仮に5位となってプレーオフに回っても、相手はニュージーランドなのでW杯出場に問題はないはずだ。しかし、だからといって安心はできない。もしこのペルー戦を取りこぼすと、5位どころか6位以下で予選落ちになる可能性があるからだ。

 最終節の相手はエクアドルで、会場は標高2800メートルのキト。苦手な高地で勝ち点3を得るのは、今のアルゼンチンには簡単なことではない。ペルー戦に勝たないと、勝ち点23のチリ、同21のパラグアイ、同20のエクアドルに逆転される可能性が出てくる。まさに崖っぷちのアルゼンチンは、命運をかけてペルー戦に挑む。

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