「レアルに力試ししたら粉砕された」ドルトムントは強豪にどう戦うのか (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 ムダなことは一切せず、クリスティアーノ・ロナウド、ガレス・ベイルの力を活用したカウンターで、攻めるべきときに攻める。ドルトムント守備陣はレアルの高速カウンターの精度とスピードに圧倒されるばかりで、下がりながらのディフェンスでは、CBがバランスを崩して転んでしまうようなシーンも見られた。

 攻撃陣も、後半9分にオーバメヤンが一矢を報いたのが精一杯。パッと見で伝わってくる雰囲気、オーラのような抽象的な力関係でも、圧倒的にレアルが上だった。

 ボスはトーマス・トゥヘル前監督時代の記憶を払拭したかったのだろう。トゥヘル時代のドルトムントといえば、バイエルンやレアルといった強豪との試合になると徹底的に守備的になった。そして基本的に"相手ありき"のフォーメーションや戦術を敷くことに、ドルトムントの選手たちはフラストレーションを募らせた。ドイツ杯で優勝した以外は結果もついてこなかった。

 ボス監督は今回のレアル戦でそんなイメージから脱却し、普段通りに力試しをしたいと考えていたようだ。出場機会はなかったが、香川真司はこの試合の前に次のように語っていた。

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