あの松原良香が研究中。小国ウルグアイからスアレスが生まれる理由 (3ページ目)

  • text by Sportiva photo by Getty Images

 優勝した後、選手が6~7人売れたので、そのお金で育成のためのグラウンドを3面、造っているところだと言っていました。会長は常にクラブ経営のことを考えているのですが、それはすなわち、選手をいかに売るかということなんですね。毎年、最低1人は売るのがノルマだそうです。

パラグアイ戦で先制ゴールを挙げたフェデリコ・バルベルデ(ウルグアイ代表)と松原良香氏パラグアイ戦で先制ゴールを挙げたフェデリコ・バルベルデ(ウルグアイ代表)と松原良香氏 というのも、クラブの収入が100あるとすると、テレビ放映権やスポンサー料が30。残りの70は選手を売ることで得るのだと言います。それがないとクラブの経営は成り立たない。だからどんどんいい素材を入れて、育てて、売る。クラブも育てるのに必死になるわけです。

「会長、じゃあよくヨーロッパにも行くんですか」と聞いたら、「そんなのは経費がかかって仕方がない。エージェントが行けばいいんだ」と笑っていました。日本だとお金の話をするのはどこか悪いことというようなイメージがありますが、ウルグアイではすべてビジネス。それによってクラブもエージェントも選手も生活ができる。幸せになれる。

 いかにしたらいい選手が育っていくか。僕はつい日本と比べてしまうのですが、ウルグアイを見ていると、ひと言でいえば貧しいということもあるのですが、サッカーの持つ仕組み、環境、教育、すべてがそうさせているところがあると思いました。

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