松原良香の南米予選ルポ。なぜウルグアイがアルゼンチンを上回るのか (5ページ目)

  • text by Sportiva photo by Getty Images

 ウルグアイ代表についていえば、タバレス監督はフル代表のほかU-15、U-17、U-20とすべての代表を見る総監督的立場にあるので、そういう若い選手も見ている。選手を引き上げるのもスムーズだし、循環させる仕組みができていることが強さを支えていると思います。

 一方のアルゼンチンはホームに最下位のベネズエラを迎えた。勝てると思っていたでしょうね。ところが先制され、追いついたものの1-1の引き分け。チャンスは作っているけど、決められないで終わりました。

 アルゼンチンが勝てない要因のひとつは、やはりメッシにあると思います。バルセロナでメッシが活躍できるのは、メッシ以外のところが機能しているから。代表チームでそういうオプションを作っていくには、時間がなさすぎるんだと思います。だから、メッシのところにすべてのボールが集まってしまう。メッシ以外の選手が、ふだんユベントスやインテル、マンチェスター・シティでやっているようなプレーができれば、アルゼンチンは変わるでしょう。

 ウルグアイ対アルゼンチン戦の後、僕はプラサ・コロニアというクラブで視察、勉強するため、コロニアという町に滞在していました。アルゼンチンとの国境に近く、アルゼンチンのテレビが見られるのですが、ちょっと選手が気の毒になりました。「メッシはダメだ」「パストーレはなんだ」と、言われ続けていましたから。

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