「嫌われクラブ」の本領発揮できず。ライプツィヒ初のCLはフワフワ (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 ただし、ライプツィヒが昨季、ブンデスリーガの大きなトピックとなったことを"良くも悪くも"と表現しなければならないのは、2009年のクラブ誕生からわずか8年という短期間での急成長の裏に、飲料メーカーであるレッドブルの強力な後ろ盾があったからだ。金にモノを言わせた強化に対し、嫌悪どころか、憎悪さえ示す他クラブのサポーターは多い。背景を考えれば、当然起こりうる批判だろう。

 だが、ライプツィヒがスター選手をかき集めた、いわゆる"金満クラブ"と一線を画すことは、ピッチに立つ選手の顔ぶれを見ればすぐに分かる。実績十分のスターはひとりもおらず、将来有望な若い選手を育てて、自らが志向する運動量の多いサッカーを叩き込む。言い換えれば、すでにでき上がった選手を集めても、これほど機動性の高い魅力的なサッカーを実践することは難しいということだ。

 それでも、金にモノを言わせた強化と言えなくはないが、その投資先は人材発掘と育成。理にかなった強化が、短期間での急成長を支えていることは間違いない。

 実際、CLデビュー戦となったASモナコとの試合でも、非常に若いメンバーが顔を揃えた。最年長は28歳のMFシュテファン・イルザンカーで、最年少は18歳のダヨ・ウパメカノ。先発11名のうち9名が25歳以下で、平均年齢でも23歳台の若さである。

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