CL制覇を狙う欧州ビッグクラブ、「賢いお金の使い方」はどこだ? (4ページ目)

  • 井川洋一●文 text by Igawa Yoichi
  • photo by Getty Images

バルセロナ(スペイン)
【IN:ウスマヌ・デンベレ、パウリーニョ、ネウソン・セメド、ジェラール・デウロフェウなど】
【OUT:ネイマール、ジェレミー・マチュー、ジョルディ・エンブラ(リザーブチームから)など】

 ネイマールの売却金のおよそ半額を費やしてドルトムントから獲得したのは、20歳のフランス代表デンベレ。リバプールのコウチーニョやアトレティコ・マドリードのアントワーヌ・グリーズマンが取れなかったことによる次善の策だが、まだプロになって3年目の若手に投じた推定1億500万ユーロ(約136億円)が正しいものかどうかは、未来が判断することになる。

 一度手放した下部組織出身のデウロフェウを買い戻したものの、リザーブチームで将来を嘱望されていたエンブラは放出。アカデミー出身者を頼りにしなくなったクラブの方針を再確認させるものと言えるだろう。

ユベントス(イタリア)
【IN:フェデリコ・ベルナルデスキ、マトゥイディ、ドウグラス・コスタ(ローン)、ロドリゴ・ベンタンクール、ベネディクト・ヘーベデス(ローン)など】
【OUT:レオナルド・ボヌッチ、マリオ・レミナ、アウベスなど】

 マッシミリアーノ・アッレグリ監督と仲違いしたボヌッチが新天地をACミランに求めた時は、「ユーベの失敗」と見る向きが多かった。しかし、最終的に新チームの選手リストを見たファンの胸は高鳴っていることだろう。

 国内随一の若手アタッカー、ベルナルデスキと快速ウイングのコスタを迎えて、攻撃陣はスケールアップ。中盤では実力者マトゥイディとウルグアイの新星・ベンタンクールがポジションを狙う。ローンで加入したへーべデスと、正式に契約したメハディ・ベナティアらがボヌッチの穴を埋めれば、前人未到のセリエA7連覇は現実的な目標となり、2年連続のCL決勝進出と、悲願の優勝も夢ではなくなる。

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