夢のW杯に近づくアイスランドの本拠地は、凄いパワースポットだった (5ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text&photo by Asada Masaki

 アイスランド代表のヘイミル・ハルグリムソン監督は「今日は中央の守備がよかった」と無失点で終えたチームを称え、こう語る。

「ここからは精神面が非常に重要。W杯に出場できたら、アイスランド・サッカーにおいて最大の出来事になる。力強さを保って次もがんばりたい」

 知的な語り口で時折ジョークも交え、公式会見の場でありながら、地元の記者たちと雑談のように気さくなやり取りを繰り返す指揮官に、(何か質問があればどうぞ、と水を向けてくれたので)周囲の期待をどう受け止めているのかを尋ねてみる。

 アイスランドのW杯出場を期待しているサッカーファンは、地元だけでなく、世界中にいるのではありませんか、と。

「新たな期待があることは理解している。当然、プレッシャーもある。でも、私はリアリストだ。クロアチア、トルコ、ウクライナと、他の国が強いこともわかっている。選手個人を見れば、彼らのほうがアイスランドよりもずっとレベルが高い。実際、我々はフィンランドにも負けている。だからこそ、ファイティングスピリットや組織、ハードワークといったことが大切になる。個人ではなく、チームで戦わなくてはいけないんだ」

 おとぎ話にまで例えられたビッグサプライズから、およそ1年3カ月。見る者の胸を打つ試合を数々繰り広げた戦士たちは、ロシアの地に降り立つことができるだろうか。

 アイスランドの次なる挑戦は、まもなくクライマックスを迎える。

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