「ネイマールロス」は癒えず。
バルセロナの新戦力にかかる異常な圧力

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 その理由は、第一にバルセロナの黄金期を支えたシャビの後継者を見つけ出せずにいることだ。今夏獲得した選手たちも、どちらかと言えば、速攻を得意とするプレーヤーである。獲得を望んだベラッティやコウチーニョのようなMFのうち、ひとりでも獲得をすることができていれば、ここまでのネガティブなキャンペーンが行なわれることはなかったはずだ。

 それにもちろん、ネイマールを失ったことへの喪失感がある。チームを去った選手のことは早いうちに忘れるのが得策だが、あまりにも失ったものが大きすぎるため、そのブラジル人FWのポジションでプレーをすることになるジェラール・デウロフェウやデンベレに対する要求、そしてプレッシャーは尋常ではなく大きなものとなっている。

 バルトメウ会長はエルネスト・バルベルデ監督に対して「バルサのモデルと下部組織を尊重する監督」と期待を寄せている。だが今シーズン、下部組織からトップチームへの昇格選手はなし。期待されたDFマルロンはニースにレンタル移籍。トップチームでプレーしていたこともあるムニル、セルジ・サンペルも、レンタルでリーガの他チームへ移籍した。セルジ・ロベルトを最後に、トップチームに定着した生え抜き選手は出てきていない。

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