ルーニーなきイングランド代表。W杯予選トップも試合内容は課題山積 (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

「何事にも決して恐れない」とサウスゲート監督が19歳のアタッカーを評するように、自らの足で苦況を打破した強い精神力には英紙『ガーディアン』も、「ミスを帳消しにして勝利を引き寄せた」と高く評価した。サウスゲート監督も「大きなインパクトを残した」と褒めたが、「立ち上がりのミスがそうだったように、彼はまだ学習段階にある」と注文をつけることも忘れなかった。

 アップ&ダウンが激しかったのは、チームパフォーマンスも一緒だ。目立ったのはパスワークの「拙さ」と「ぎこちなさ」。ポゼッションサッカーを志向するサウスゲート政権だが、MFジョーダン・ヘンダーソン(リバプール)とダイアーで編成するセントラルMFは構成力に欠け、チャンスの多くは「セットプレー」「個の力による単独突破」「カウンター攻撃」から生まれたものだった。

 3選手以上が絡む有機的な崩しはラッシュフォードが絡んだ2回のみ。トップ下のデレ・アリが目立ったシーンも、「友人のDFカイル・ウォーカー(マンチェスター・シティ)に向けたジョーク」と釈明した"中指ジェスチャー(※)"だけで、肝心のプレーで観衆を沸かすことはできなかった。

※77分にペナルティエリア付近で倒されたデレ・アリが立ち上がって自陣に戻る際に中指を立て、そのシーンがテレビカメラで映し出された。

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