ルーニーなきイングランド代表。
W杯予選トップも試合内容は課題山積

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 8月23日に突如発表されたウェイン・ルーニーの「イングランド代表引退」は、一時代の終焉を意味した。

 マイケル・オーウェンやデイビッド・ベッカム、スティーブン・ジェラード、フランク・ランパード、リオ・ファーディナンド、ジョン・テリー、そしてルーニーらを擁した2006年W杯~2010年W杯時は、フットボールの母国に到来した「黄金世代」と謳われ、英国民の期待はいやが上にも高まった。

逆転ゴールでイングランドを勝利に導いた19歳のラッシュフォード逆転ゴールでイングランドを勝利に導いた19歳のラッシュフォード しかし、タイトルを手にすることなく、ひとり、またひとりと代表から去っていき、最後のひとりとなったルーニーもスリーライオンズ(イングランド代表の愛称)のユニフォームを脱ぐことになった。昨年11月のロシアW杯欧州予選のスコットランド戦で先発して以来、ルーニーが同代表のピッチに立つことはなかったが、それでも一時代の区切りとして、そして転換期として、彼の代表引退には大きな意味があった。

 こうしたなかで迎えたのが、9月4日に聖地ウェンブリー・スタジアムで行なわれたW杯欧州予選・スロバキア戦である。

 スターティングメンバーには、代表の主軸に成長したFWハリー・ケイン(トッテナム・ホットスパー/24歳)とMFデレ・アリ(トッテナム・ホットスパー/21歳)を筆頭に、MFマーカス・ラッシュフォード(マンチェスター・ユナイテッド/19歳)、MFエリック・ダイアー(トッテナム・ホットスパー/23歳)、MFアレックス・オックスレイド=チェンバレン(リバプール/24歳)ら新世代の若手が名を連ねた。前任のロイ・ホジソンと、U-21代表監督から昇格した47歳のガレス・サウスゲートが推し進めてきた「世代交代」を反映したメンバー構成である。

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