プレミア初昇格で3位。選手がファンと一緒に食堂の行列に並ぶクラブ (8ページ目)

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper 森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki

「彼はいつも言っていた。『考えていることを正直に、わかりやすく、はっきり言え。たとえ仲間が聞きたくないことでもだ。自分を偽ってはいけない。周りの人たちにも、そして自分自身にも』」

「仕事を始めたときから、この言葉が頭にあった。私が考えていることと、まったく同じだ。最初のシーズンに、われわれは5連敗したと思う。そんなときにも、状況にまっすぐ向き合わなくてはいけない。記者たちに『何も問題はない』などと言ってはいけない。選手には何が問題かを、はっきり伝える。ときには何も悪いところがなく、運だけの問題であることもある」

 今、ハダースフィールドのファンは「デイビッド・ワグナーは、クロップより上だ!」とチャントをする。ワグナーは、イングランドのフットボールに魅せられたと言う。「集中力がすばらしいし、レフェリーがやたらと笛を吹かないところもいい。ここには正直なフットボールがあるのだろう。応援するクラブの選手がダイビングをしたら、ファンはブーイングを浴びせている」
(つづく)

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