フランスが無慈悲にオランダを粉砕。オレンジ軍団のW杯出場は窮地に (2ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by Getty Images

「11人対11人」の段階で両者の間に埋めがたい差がはっきりとあったのに、62分にMFケヴィン・ストロートマン(ローマ)が退場して数的不利に陥ったのだから、「オランダもここまでか」と思われた。だが、69分にショートカウンターからFWアリエン・ロッベン(バイエルン)がこの日初めてビッグチャンスを迎えるのだから、サッカーは面白い。しかし、ゴール前でフリーになったロッベンのヘディングシュートはコースが定まらず、CBサミュエル・ユムティティ(バルセロナ)にクリアされてしまった。

 するとここから、フランスの「ゴールショー」が始まる。73分にはクロスのこぼれ球からMFトマ・レマル(モナコ)が強烈なボレーシュートを決めて2-0。さらにレマルは88分にも高速カウンターからグリーズマンのクロスを押し込み、この日2ゴール目を奪う。さらには90分、今度は途中出場のFWキリアン・ムバッペ(パリ・サンジェルマン)がまるでダンスを踊るようにドリブルしながら攻め入り、シディベのクロスを自身で蹴り込んでオランダにトドメを刺した。

 オランダの凋落はユーロ2016の予選敗退から続いているが、フランスも6月9日のスウェーデン戦を1-2で落としてしまい、国内ではやや焦りの声も出始めていたという。しかし、オランダ戦のフランスは圧巻としか言いようのないパフォーマンスを見せ、スウェーデン戦で痛恨のミスを犯したGKウーゴ・ロリス(トッテナム・ホットスパー)の守備機会もほとんどなかった。

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