関根貴大、ドイツ2部デビュー。身長164cmでも大男たちに負けず (3ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei photo by AFLO

 63分にはパスをカットしにいったところで目測を誤り、相手選手と入れ替わられてしまうシーンがあったが、すぐさま追いかけて体を投げ出し、クロスは許さなかった。このプレーにはスタンドから大きな拍手が送られた。もちろん、失点に繋がってしまったクリアミスのシーンでは大きなため息が漏れたが、少なくとも観客に対して164cm の日本人が戦える選手であることを示すことはできたはずだ。

 チーム状況は逼迫(ひっぱく)している。今季1部から2部に降格したインゴルシュタットにとって、開幕3連敗のショックは大きい。調子が上がらなければ、ワルプルギス監督の進退が問われるのは時間の問題になってくる。もし監督交代が起きれば、あるいはシステムが変更されれば、関根にも影響が及ぶことになる。

 この初戦で関根は「前に進む重要性」を感じたという。ボールを大事にすることを意識してバックパスを選択しても、インゴルシュタットではあまり意味を持たず、相手のプレッシャーが強くなるだけだ。2部ではきれいにプレーしようとしても、なかなかうまくいかないのだ。

「どんなにヘタだろうと、どれだけボールを前に運べるか、ガツガツ前に進んでいけるか。相手の前に進むプレーを止める守備というシンプルなところがより大事かなと思います」

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