ケルン大迫勇也が語るケガの状態。W杯予選に「モチベーションはある」 (2ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei photo by AFLO

 7月31日、イタリア1部ボローニャとの練習試合に大迫は2トップの一角として先発した。相手の最終ラインでDFのロングボールを阻もうと右足を伸ばすと、強烈なボールがその右足に当たって体勢を崩し、そのまま外側から足をついてしまった。

 右足首の靭帯損傷。クラブは離脱期間を公表しなかった。3月末の日本代表UAE戦で大迫が膝を負傷した際は「少なくとも3試合離脱」という具体的な数字を出していた。実際は3試合目で復帰することになったのだが、今回のあいまいな発表からはクラブ側の事情がうかがえる。

 今季のケルンはエースFWアントニー・モデストが移籍し、大迫を攻撃の中心に見込んでいた。今季はヨーロッパリーグ(EL)にも出場するため、チームとしては何としても大迫に活躍してもらわなければならない。

 早く復帰してもらいたいのはやまやまだが、無理をして悪化させるのは避けたい。クラブとしては日本代表にも派遣したくないのが本音だろう。病み上がりでW杯出場をかけた重要な試合に強行出場となれば、再発のリスクは免れない。

 リーグ開幕を前に、大迫が個別練習を始めた際も、シュテーガー監督は「ハンブルガー戦で起用できるかはまだ言えないが、その後は代表ウィークになる」と、代表へ派遣しないことを想定した発言をしていた。大迫自身も、クラブから代表に派遣したくないという雰囲気を感じているという。クラブの事情を考えれば、やむを得ないところはある。

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