驚異の「残留力」。長友佑都の名前がインテル放出リストから消えたわけ (3ページ目)

  • マッテオ・ブレーガ●文 text by Matteo Brega 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 ダルベルトはサイドをスピーディーに上がる典型的なブラジルタイプのDFだ。しかし、守備の点では長友の方が安定感がある。ダルベルトの持たないテクニックを持つ選手として、長友はダルベルトの控えには最適なのだ。いや、現時点のポジション争いにおいては長友の方が優位にあるかもしれない。彼の方がイタリアサッカーをよりよく知っているし、監督が望むことも即座に理解できる。

 週末のセリエA開幕戦のフィオレンティーナ戦では、長友のスタメン出場が見込まれている。おそらくここでの出来が彼の未来に大きく影響してくるだろう。

 いずれにしても、今後ほかの左サイドバックが加入しない限りは、長友がミラノに残るのはほぼ確定のようだ。いや、それどころかライバルだったサントン、そしてアンサルディまでが移籍する可能性がある。この放出はスパレッティにとっては理にかなったものだ。ダルベルトと長友がいればこのポジションは安泰だからだ。

 これから数週間、スパレッティはダルベルトにイタリアサッカーでの守備を叩き込むことになるだろう。長友は彼にとってよきお手本になる。もちろんダルベルトは、サイドを長い距離上がることにかけては長友よりも優秀だし、彼よりいい脚を持ち、スピードも速い。しかし守備のメカニズムをまだ飲み込めてはいない。

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