松井大輔が考えるサッカーの引き際。「最後はフランスで終わりたい」 (4ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 田中亘●撮影 photo by Tanaka Wataru

──そういう中で、ベテランとしてどのように生き残っていく?

「監督と会って話してみないと分かりませんが、当然ベテランとしての役割も求められると思います。でも、まず僕としてはチームに自分の居場所を作ることが先決。1年契約なので、その中で結果を出していくしかないですよ」

──海外に行って、辞め方を見つけたいという話もしていましたが、具体的に何か考えていることはあるんですか?

「うーん......。まだ漠然となんですけど、やっぱりもう一度フランスに戻りたいというのはありますね。僕のプロキャリアはフランスが一番長かったわけだし、フランスに育ててもらったという意識もある。友だちも多いですし、そこでキャリアの最後を過ごしたいというイメージは少しあります。フランス語も話していないと忘れてしまうし、もう一回フランスで生活して、フランス語のスキルも上げたい。でも、まずはポーランドで英語の学校に行きたいなって考えてます」

──楽しそうに見えますね。それでは最後に、日本のファンに向けてひと言。

「36歳のおじさん選手が、ヨーロッパでプレーしていることを覚えていてもらえればうれしいです。この年齢になっても、まだヨーロッパでプレーする変わった人もいるんだって(笑)。そして僕自身は、オドラ・オポーレで自分の居場所を見つけて、まだヨーロッパでできることを証明したい。それが、ジュビロというクラブとサポーターへの恩返しにもなると思っています」

***

 話を聞いていると、今回の移籍も、松井にとっては普通の決断だったのだということに気づかされる。現状に甘んじることなく、いつも自ら苦難な道を選び続けることによって前進し続ける。それが松井というサッカー選手の生き様であり、それは誰にも変えることはできない。

 36歳の新たなる挑戦に、乾杯。オドラ・オポーレの松井大輔に、幸あれ。

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